なんと! KILLER-BONGと田我流が、DOWNSHOT RIGというユニットで本格的に動きはじめるという。ライヴもすでに一度おこなっている。一体全体、この強烈な個性を持った2人が組んで、今後何をしでかすのか? あのKILLER-BONGがラッパーとグループを組むというのも大きなニュースだ。こりゃじっとしていられないということで、その真相を確かめるべく2人が作戦会議をしている都内某所を訪ねた。釣り? ドラフト? 宇宙? 2人の役者によるフリーキーなトークをお送りしましょう。

-----DOWNSHOT RIGはどこからはじまったのかを教えてもらえますか?

KILLER-BONG:まぁ、DOWNSHOT RIGは釣の仕掛けなんだよ。



田我流:DOWNSHOT RIGは釣れるっすよ。

KILLER-BONG:釣れるんだよね、やっぱり。

田我流:スプリットショット・リグとか。



KILLER-BONG:テキサス・リグとかキャロライナ・リグとかネコリグとか、いろいろあるんだよ。「俺はネコリグにしたいんだけど」って言ったら、田我流が、「DOWNSHOT RIGで行きましょう!」って。



田我流:やっぱDOWNSHOT RIGがいちばんカッコいいでしょって。

KILLER-BONG:そうそうそう。響きがね。DOWNSHOT RIGは絵にしたときも形がカッコいいからってのはあるよね。他にもいくつか案はあったね。

田我流:河口湖とか。

KILLER-BONG:そう、あったね。カワグチコォォ

田我流:でもそれは、ちょっとモロ過ぎるなっていうことで。

KILLER-BONG:DOWNSHOT RIGは釣れないとこでも釣れるわけだよ。だから、釣れないところじゃ、これを使えっていうぐらいなんだよ。

田我流:これで釣れなかったら、もう釣れないすよ、その人。

KILLER-BONG:ふふっ。いやぁ、それは言っちゃマズいだろ(笑)。ちなみにDOWNSHOT RIGっていう仕掛けがさ、けっこうめんどくさくてさ、俺はあまり使わないよね。フハハハハッハッはははははは。

田我流:深みとかにポンと落とし込んで、そこに藻とかがいっぱい生えてたら引っかかっちゃう。

KILLER-BONG:そうそうそう。

田我流:だから、使う場所は限定されちゃう。俺たちがやってるのは全部釣りっすよね。

KILLER-BONG:そういうことだよ。風がふいたりとかさ
雨が降ったりよ

田我流:スレたやつらを釣り上げるっていう。

KILLER-BONG:俺たちはDOWNSHOT RIGしにいろんなとこに行きたいわけ。それで、釣りのDVDとか。「ワッサ!福岡県久山町にやって来ました。今日はね、この気温とか見てね、攻めて行きたいと思います。このやろー」ってね。

田我流:「昨日ちょうど大雨が降ったみたいで、水かさがだいぶ増えていて、今日はどういう風になるかはちょっとわからないですね。このやろー」ってさ

KILLER-BONG:「まぁね、ちょっと濁ってますからね。じゃあ、今日はこの色を投げて行きましょう。広範囲で、まずね、スピナベのワタナベからはじめて行きたいと思います。このやろー」っていうときに、ベイトフィネスorロードフィネスでDOWNSHOT RIG投げようよってことなんだよね。わかるだろ?







-----......2人が大の釣好きということがまずわかりました。

田我流:まあ、俺たちは釣りに行きたいってことだよね。

KILLER-BONG:琵琶湖も行きたいわけ。だから、ライヴの2日前とかに現地に入っちゃって野宿とかよ。

田我流:で、スレた奴らを釣り上げて、。そしてまたいろんな場所に釣りに行くっていう、夢のある話なんですよ。

KILLER-BONG:そうだね、いつかやりたいね、釣り行脚。ライヴもやってさ。
俺たちはその場に合わせて、釣りのスタイル変えてくからさ。

田我流:ウォーキン・オン・ザ・ワイルド・サイドですよ。

KILLER-BONG:海なら海釣りだし、川なら川釣りだよ。

田我流:松方なら松方。



KILLER-BONG:梅宮なら梅宮なんだよな。



-----ところで、いきなりぶち込みますが、最初にKILLER-BONG氏が田我流というラッパーの存在を知ったのはいつでした?

KILLER-BONG:〈blacksmoker〉で出すか、みたいな話があったんだよ。“B級少年”ってバンドで。D級カレーだったかな?

-----B級少年ってバンド!?(笑)。

KILLER-BONG:でも、タイミングを逃してしまったんだ。

田我流:大型ドラフト会議があったんすよ。

KILLER-BONG:そう、俺の中であった。

田我流:「俺の中で」(笑)。

KILLER-BONG:そーさ。そーだろ?その大型ドラフト会議で逃しちゃったから、DJのときに田我流の曲をかけてたんだよ。それだけだよ。それでいつの間にか知り合っちゃっただけだよ。



-----田我流くんを大型ドラフト会議にかけたいと思ったのはなぜですか? ラッパー、田我流の魅力とは?

KILLER-BONG:スター性だね。あと顔だね。マツゲとか

-----ズバリきましたね。

KILLER-BONG:それで、最高だろ?っていうことだよね。

-----田我流くんがKILLER-BONGの存在を知ったのはいつですか?

田我流:山梨で一方的にライヴを観てましたね。

KILLER-BONG:山梨に悪い葡萄の友達がいたんだよね。

田我流:それから数年後に初めて会ったときにはすでに巨峰的でしたよ。吉祥寺の〈WARP〉で会ったんです。そのとき、ずーっと「ゴウシュウです」しか言わなくて、話が通じなかったのを覚えてますね。

KILLER-BONG:ファッハッハッ! “ゴウシュウ”ってオーストラリアのことじゃないの?

田我流:オーストラリアなのかなあ? それとも長州力を間違えてんのかなあ?って考えて。



KILLER-BONG:豪州っていえばオーストラリアだ。俺の中で豪州っていうのはオーストラリアだよ。俺は、田我流のライヴを〈WWW〉にも観に行ってたよ。

-----ただ、知り合ってすぐに、「じゃあいっしょにやろうぜ」とはならないですよね。どうして2人はユニットとしてやることになったんですか?

KILLER-BONG:依頼があったね。13型のトラクターのビジネスとして、俺に。

-----「田我流とセッションしないか?」と

KILLER-BONG:ヤッテクレ!と うんうんうん、そーだ!たぶんね。それで、それをやるためにDOWNSHOT RIGっていうDJのイヴェントを発足したんだ。それが今晩〈GRASSROOTS〉でやるヤツ(DJs:KILLER-BONG、田我流、16FLIP、鎮座DOPENESS)でしょ。

田我流:そういうことっすね。

-----Kさんが誰かとユニットを組むというの本当に珍しいことですよね。しかもラッパーとなると、さらに珍しい。

KILLER-BONG:ないね。なぜ、グループになったかって?

田我流:大いなる野望があるんです。

KILLER-BONG:なんかすごい匂ってるっていうかさ。やり易いってのはあるね。趣味もいっしょだし、田我流のユーモアのセンスが好きなのかもしれないな。田我流っていうラッパーが面白いのは、ノイズとかアヴァンギャルドのことも知ってるところだと思う。



-----田我流くんにいちどインタヴューさせてもらったときに、非常階段やアシッド・マザーズ・テンプル、ゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラーといったバンドの名前を好きな音楽としてあげていたのが印象に残ってて。学生時代に留学してたニューヨークでは、サイケ・ロック・バンドでギターも弾いてましたよね。

田我流:そうですね。

KILLER-BONG:だから、そういうニュアンスを持ってる男がさ、いい歌を歌えるから俺と合うんじゃないの。ラッパーになる前からそうなのかもしれないし、ラッパーをしながらそうなのかもしれない。そういうことでしょ? 他のところに行きたいわけじゃなくて、戻って来たってことなんじゃない。だから、田我流は鮭だよ。



-----ハハハハハッ。

田我流:あー、うまいなー。そう、俺はとにかく、出された音にすべて乗っかるだけなんですよね。

KILLER-BONG:そうだよ。

-----10月26日に〈リキッド・ルーム〉であった「THE HEAVYMANNERS meets SCIENTIST 『EXTERMINATION DUB』RELEASE PARTY」の日が、DOWNSHOT RIGの初のライヴでしたよね。途中、田我流くんがラップしながら激しく踊りだして、それに応えるようにKさんも踊りだしたじゃないですか。

KILLER-BONG:フリーキーな動きだろ? 俺はライヴ前に田我流から「ダンス・バトルを仕掛けるからな」って言われてるわけよ。



田我流:あれも表現なんですよ。

KILLER-BONG:俺は、「それ、やめてくれ」って言ったわけ。

田我流:大漁のときのことを想像しながら歓喜してましたね。

KILLER-BONG:「やめてくれ」って言ったけどさ、はじまったら応えるのがDOWNSHOT RIGだから。というか、「やめてくれ」って言ったら、「出せよ」ってことなわけだよ。応えないで関係が上手くいくわけ? ひとりだけ踊っててさ、そんなことさせられるわけないじゃん。俺の方がダンスが上手いんだぞってやるわけよ。それが俺たちのライヴだよ。

田我流:俺はあのとき自分がルアーだと思ってたんすよ。俺はいつも投げてばかりだけど、それじゃあ、いつまでたっても魚の気持ちはわからないから、ルアーになり切ろうと思ってやったんですよ。水中に入ってこそ、釣りも上手くなるじゃないですか。

KILLER-BONG:そうだね。だから、田我流とやるときはインプロみたいなことも含められる。、その幅が広いんだと思うよ。その、なんかさ、イカレたノイズとか所有してるからさ、家に。
それがDOWNSHOT RIGなんだよ。わかるだろ? だからね、究極的にはね、スレたとこでDOWNSHOT RIGになるわけだ。

田我流:だから、川だけじゃなくて、海でも釣ってみたいんですよ。ひょっとしたら、テトラポッドの間にとんでもない大物が潜んでるかもしれないじゃないすか。

KILLER-BONG:そうそうそう。山に街にそうやってどんどん広がって行く感じだよ。

田我流:次はボートが必要ですね。



KILLER-BONG:場所によっちゃあ、そうだね。RUMIちゃんも構成員だからね。



KILLER-BONG:あの人は船長だから。俺たちはルアーを変えるように、スタイルも変えていくよ。

田我流:「ノイズをやれ!」って言われたら、俺はもうそれしかやんないすっよ。

KILLER-BONG:だから、DOWNSHOT RIGとしては誰とでもやりたいし、どこに呼ばれてもいいなっていうのはあるよね。

田我流:その代わり釣りはさせてもらいたいですね。

KILLER-BONG:そこの場所ではちょっと一日、二日ぐらいは釣りはしたいっていうね。それも含めて行きたいなっていう、ちょっとワガママなリクエスト。ギンギラギンっていうのはこうさ、さりげなくっていうかさ。DOWNSHOT RIGのワームを見てごらんよ。ラメが入ってるからさ。さりげなくね。

-----DOWNSHOT RIGは、今後2人以外の編成でやる可能性もありそうですね。

KILLER-BONG:田我流はリキッドのときテープデッキとベースとかを持って来ようとしてたけど、ライヴのタイム的にいらないってことになったんだ。今後は楽器の人を加えてもいいだろうしね。いろいろな場所でいろいろやってみたいね。どんなジャンルの場所でもいい。

-----ヒップホップやノイズのイヴェントでやるときもあるかもしれないし。

KILLER-BONG:バンドのときもあるかもしれないってことだよ。ないけど。

-----なるほど。DOWNSHOT RIGってユニットでありながら、メンバーが増殖していく集合体でもあるようなイメージですか?

KILLER-BONG:いや、それは違うね。2人のユニットはユニットなんだよ。わかってないよ。通常は2人で釣りに行ってるわけだからさ。そこは変わらない。ただ、フィールドを変えるときは、ルアーがいろんな種類必要なんじゃないかということだよ。ごくたまーに、そういうことがあるんじゃないの?って話をしてるわけだよ。誰かとスペシャルなときにやるかもしれないし、もしくは向こうが望んでくれたらやる。

田我流:「来い!」って言われたら行きますよ。

KILLER-BONG:そう。。「呼んでよ」ってことなんだよ。釣りも含めて呼んでください。だから、そんな強気の発言じゃないよ。フナって呼ばれたい。



田我流:フナ?

KILLER-BONG:コイっていうよりフナっていう、もっとやさしい感じだよね。そうやってやりたいよね。

-----ハハハハハッ。

KILLER-BONG:沖縄とかも行きたいしさ。いろいろ行きたいな。

田我流:沖縄はシイラが釣れるんすよ。



KILLER-BONG:えっ? まじで?

田我流:釣れますよ。

KILLER-BONG:行きたいねぇ。

田我流:シイラって金色の魚なんすよね。

KILLER-BONG:BABAがシイラ釣ってたよ、。BABAは松方系だからね。BABAは色黒い系だから、年がら年中。

-----BABAは松方系......(笑)。ところで、2人ともGuruConnect a.k.a HIRONAKASUGURUのアルバム『FreakOut x BlackBass』の、それぞれ別の曲でラップしてますよね。このレコーディングのときはDOWNSHOT RIGは結成されてなかったですか? 

KILLER-BONG:結成されてたよ。でも俺がもう先に録ってたから。でも、俺は田我流の曲でも歌ってるよ。上から被せてる。君がちゃんと聴いてないだけだよ。

-----ここでちょっと曲を聴いてみましょうか。
(GuruConnect a.k.a HIRONAKASUGURU『FreakOut x BlackBass』収録のsashiire feat. 田我流をかける)

田我流:「行くときは~~♪」

KILLER-BONG:「タカシタム~~ラ~~♪」って(笑)

田我流:「はぁん♪」って。

KILLER-BONG:そう、俺は「ははぁぁ~~ん♪」って歌ってるよ。

-----(続いて、ParisDakarRace feat. K-BOMBをかける)


田我流:歌詞、深いっすね。

KILLER-BONG:深過ぎるよ。

JUBE:Kの曲のビートは四拍子じゃないからね。

-----むちゃイレギュラーなビートですよね。

JUBE:わかる? このイレギュラー感。

KILLER-BONG:イレギュラーなリズムかどうかもわからないな。フツーじゃん。

JUBE:(GuruConnectが)この曲は拍とかないって言ってたよ。拍とかで作ってないって。

KILLER-BONG:俺から言わせりゃ、これ、フツーだよ。

JUBE:この曲はKILLER-BONGが作ったような雰囲気すら感じるもんね。

KILLER-BONG:そうだよね。俺はこれがイレギュラーだってまったく感じない。

JUBE:GuruConnectは光るものを感じるよ。中毒性か高い。

KILLER-BONG:うん、そうだ。こいつはすごい才能の持主だね。じゃなきゃ、ラップもしたくないよ。でも、イレギュラーなのかな? これ。

田我流:ある種、カニエ・ウエスト的なヤバさがあるっすよね。

KILLER-BONG:何でもできんだな、こいつは。俺はイレギュラーとかまったく関係ないけどね。

JUBE:こうやってスネアを打ってみなよ。Kのラップしてる曲はスネアが打てないから。

KILLER-BONG:(リズムを取りながら)あ、ほんとだ、打てないな。スネア、ぜんぜん打てないよ。なんだ、これ。でも、歌っちまえば、俺はもうなんでもできるからな。恐縮して悪いけど。

田我流:俺のラップしてる曲にただひとつだけルールがあるとすれば、キックの位置が絶対四拍あるんすよね。それで取るか。逆に取らないか。取らないと宇宙ですね。

KILLER-BONG:俺の場合はなんでもいいって感じだけどね。

田我流:沖縄はシイラが釣れるんすよ。

-----ということは、DOWNSHOT RIGは宇宙をやろうとしてるんですね。

田我流:覚醒だもん。

KILLER-BONG:矢追純一さんともやりたいね。

田我流:ああ、やりたいっすねー。

KILLER-BONG:〈朝霧JAM〉とかでUFOを呼びながらライヴとかやりたいね。

田我流:それ、めちゃヤバいじゃないすか。


----- 11月27日 都内某所にて(立会人/文/構成:二木信)-----

表題 : DOWNSHOT RIG
日程 : 2014年2月5日(水曜日)
場所 : 東高円寺 GRASSROOTS
時間 : 23時から
出演 : KILLER-BONG, 田我流 & more...
詳細 : http://green.ap.teacup.com/grassrootstribe/